メールの前に「電話して相談」の理由

(この記事は note「運営者の雑感」にて掲載した記事を加筆修正して掲載しています)

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先日、別の会社で仕事をさせていただいているときに、久々に聞いたやりとりがありました。

クライアントに何かの依頼をする様子で、ある社員が別の社員に「こういう感じでメール投げていいですかね?」と相談していたときのこと。

そのときに相談された側の社員が

「いきなりメール出すのはちょっとアレだから、先に電話で簡単に伝えたほうがいいかも。『このあとメールさせていただきますがご相談があって』って感じで」

と言っていたのを聞いて、思わず「懐かしい!」と思ってしまいました。

 

いや、自分が会社員のときはこういうことは日常茶飯事のことだったのですが、独立してから自然とそういうコミュニケーションを取らなくなりました。

また、

「電話は不要、邪魔、ひとの時間を平気で奪う」

「メールしたあとで『さきほどメールしたのですが』と電話が来るの意味分からない」

といった主張をSNSで時々、目にするうちに、私もそういうのを無意識に「ムダだなー」と思うようになっていたのだと気づきました。

 

若い世代の社員が多い企業では、上記のようなやりとりは、もしかしたらもうほとんどないのかもしれませんが、比較的社員の平均年齢が高い企業や伝統のある企業ではまだまだ普通のやりとりとして残っている慣習だと思います。

不思議ですよね。

電話で依頼されようが、メールで依頼されようが、相手にとってはどちらであっても、情報が来ることそのものは「突然」であることに変わりはない。なのに、なぜ「メールだと突然」で、電話だと突然感が薄れると思うのか。

会社員のときは、どこかでムダだなと思っていても「そういうもの」として考えていたこともあり、両者の違いを考えたこともなかったのですが、

今にして思えば電話には「相談」という要素があるけどメールにはそれがないメールで来るものは「依頼」になってしまうのではないかなと思いました。

仕事を一緒にしている時間が長ければ長い間柄であるほど、そういう暗黙のルールがあるように思います。

 

別の言い方をすれば、依頼する相手を「立てる」というか。

「こういう依頼をする前にひとこと相談してくれよ」という考えのひとには、「メールの前に電話をする」というのが当たり前になっている。

コミュニケーションツールはどんどん進化してきてますが、電話からメールへの変化は、世代によっては結構な変化だったのかもなーと今さら感じています。

ツールがアナログからデジタルへ変化しただけなのに、なぜか感情もセットになってしまっているように思います。

最近ではどの企業も「働き方改革」を謳い、業務を可能な限り効率化せよ、と言ってますが、こういう慣習が残っているとなかなか難しそうだなと思った次第です。

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