無意識に反応する前提(思い込み)にいかに気づくか

“インプット”という単語を見聞きすると、条件反射で”アウトプット”を思い浮かべてしまうことがないだろうか。イン(in)の対語であるアウト(out)が瞬時に頭の中で紐づいてしまい、無意識のうちに思考がアウトプットに関することに向いてしまう。
 
自覚していなかったが、私にもその傾向があった。
 
しかし、最近ある会話の中で、このクセはなくした方がいいと思う経験をした。
 
 
———
先日、私とインストラクターとで、ある経営者の方(Aさん)と会食をすることになった。
Aさんはある方を通じて紹介されて、私たちはそのときが初対面だったが堅苦しい雰囲気にもならず、食事をしながらざっくばらんに普段の仕事やこれまでしてきたことを話しあっていた。

そして、なにかの話の流れでインストラクターが、「本を読むのは大事ですね」という話をした。
そのときAさんからは「アウトプットするほうが大事かなと思っている」という返しがあった。
 
私には二人のやりとりが、それまでの流れから少しズレたように感じたけれど、会話は続いていたので、違和感を覚えつつもその場の雰囲気にまかせながら聞いていた。
 
そして、あとで振り返ってみた。
 
 
おそらくインストラクターは、「本の話題」をしたかったのだと思う。例えば、どんな本が好きかとか、最近読んだ本で感じたことなど。しかし、Aさんは「本を読むこと=インプット」と無意識に反応してしまい、自分としては「インプットよりアウトプットが大事」と言ったのではないか。
つまり、「インストラクターの問いかけが、Aさんの無意識の反応によって別の話題にすり替えられた」ということに私は違和感をおぼえたのである。そのことに気づいたとき、自分自身も無意識のうちに同じようなことをしているに違いないと思った。
 
今回のような「イン(in)、アウト(out)」という分かりやすい対語は、勝手にアタマが先回りして相手の意図していることとは別の方向を見てしまうことがある。いつのまにかすり込まれている前提(=思い込み)に支配されていると、無意識であるがゆえにそのことに気がつかない。
 
「相手が伝えたいことを受け止めているようで、実は正しく受け止められていない」ときは、会話にズレが生まれてくる。会話の途中でズレを感じたら、どちらかがなにか頭に残った単語から派生した他の単語に無意識のうちに思考が働き、気づかぬうちに話題をすり替えてしまっているのではないか。「ひとは見たいように物事を見て、聞きたいようにひとの話を聞く」というクセをもっているということである。
 
 
———
Aさんとの会食は、私の中にもたくさんの「無意識に刷り込まれた前提(=思い込み)がある」ということに気づくきっかけとなった。
そして、いつの間にか変な固定概念がついてしまっていることにもいまさらながら気づいた。
 
Aさんが返した、「インプットとアウトプットはどっちが大事か」という類の話は、ビジネスの中でもよく出てくる。この手の「○○と○○はどちらが、重要か」という問いかけで注意したいのは、単純に双方の比較で優越を決められるものもあるが、そうはならないことも多い。
 
例えば、「インプット(情報・知識の収集)・アウトプット(発信・実践)」は、単純にどちから一方の重要性を考えるのではなく、物事の一連の流れの中でとらえることが必要である。得た情報や知識を自分なりに解釈し発信、行動する。その結果を振り返り、うまくいかなかった部分を分析して足りないことをまたインプットする。このサイクルで考えると二つとも重要なことだと気づく。
対語になるものお互いの重要性が形成されているのである。
人には無意識に反応する前提(=思い込み)がある、ということに日常的に意識することが必要だ。
 
 
———
人は常にいろいろな“可能性”を秘めていると思います。自分自身も、一緒に働く仲間も、何かちょっとしたきっかけがあればプラスに発揮される能力が隠れています。
当社はその「ちょっとしたきっかけ」をとおして、お客様自身に新たな能力に気づいてもらいたい、それをビジネスにつなげてもらえるようなサポートを目指しています。

PAGE TOP